タイムフリーで待ちあわせ

タイムフリーで待ちあわせ

#06 20230126/ぺいさんへ

2023年1月26日 むだ→ぺい

 

ぺいさんへ

私はちくわが好きです。これは恥ずかしくてほかの人に言えないことなのですが、お腹が空いた仕事終わり、私は最寄りのスーパーでおつとめ品コーナーのちくわを購入して、自宅までの帰り道に食べることあります。ちくわを食べたい。だけど同時に、誰にもちくわを食べているところを見られたくないという自尊心もあります。帰り道のルートの中で確実に人とすれ違わないであろう道を選択して日々ちくわを貪っています。

そんなちくわに最近変化がありました。よく買っているかね貞のちくわの内容量が5本から4本に減ったのです。SNSで見かけた山崎製パンの薄皮つぶあんぱんの内容量減少のニュースを対岸の火事だと思っていたのに、火の粉は気づけばこちらまで飛んでいました。原因にはさまざまな要因があります。原材料であるスケソウダラの価格高騰、円安、ロシア軍によるウクライナ軍事侵攻にともなう原油価格の高騰、練り物の世界的な需要の高まりなどです。複合的な原因による価格上昇のため、すぐに価格が落ち着くことはなさそうです。いっそこれを機にこの習慣をやめたいなと思うものの、気づけば今日も4本パックになったちくわを帰り道に頬張りながら、代わりになるアイデアを練っています。

1月14、15日は大学入学共通テストですね。阿佐ヶ谷姉妹のおおむね良好手帳もそのことを意識してか、14日の阿佐ヶ谷姉妹による一言コラムの欄には、「大切な試験に臨まれる方、ガンバです!」と書かれています。2023年にガンバ!を愛らしく使えるのは阿佐ヶ谷姉妹をおいてほかにいません。それ以上によかったのは、翌日15日の一言コラムです。「毎日仕事や勉強、子育て、自分育て、生きることに励んでいる方も、みんなみんなガンバです!」と江里子さんか美穂さんによる言葉が添えられていました。「毎日仕事や勉強、子育て〜」まで読んで、『ジェーン・スー 生活は踊る』のオープニングがよぎったのも束の間、その後に続く「自分育て、生きることに励んている方」をいう言葉選びに阿佐ヶ谷姉妹の暮らしに根ざした視線を感じて、お二人と永岡書店(この手帳の出版社です)のことがより一層愛おしく感じました。

オープニングが長い番組を無批判にすごいなと思ってしまいます。というのも、「オープニングが長い=出演者のお笑いの技量が試される、また出演者もその方向性を強く意識している」という偏った考え方が私の中に醸成されつつあるからです。この原因になっている番組が『オードリーのオールナイトニッポン』と『ラヴィット!』です。どちらの番組も2時間枠の約半分をオープニングに割いています。オードリーのラジオは基本的に若林さんがオープニングトークを構築し、春日さんと練り上げるという構成になっています。一方で、『ラヴィット!』は放送日にちなんだトークテーマとそれにかかる企画こそあれど、魅力的なのはそこで交わされる出演者たちのやりとりです。(ただ、ゲーム企画が始まるとどこからともなく颯爽と現れる赤荻歩アナウンサーは大好きです)

そのような考え方があるせいで、『又吉・児玉・向井のあとは寝るだけの時間』や『あさこ・佳代子大人なラジオ女子会』のざっくばらんで行き当たりばったりなやりとりを聴くと、凝り固まった考え方に油を差されたような気持ちになります。仕事だとあんまり意識することなく、だらだら仲良く(ときに仲違いしながら)おしゃべりできるのもすごいことだよな〜と思い直している今日この頃です。

今回のお返事でそれっぽく二つ目に差し込んだ阿佐ヶ谷姉妹の手帳の話題、私が往復書簡のお返事のタイミングを一度失ったんだろうなということがぺいさんに容易に見破られていると思うと、これまた恥ずかしいです。記録的な寒波の影響が続いています。自分育て、生きることに励んで、暖かく過ごしましょうね。それではまた。

むだ

 

参考文献
・池田昌平、”かまぼこが直面する危機”、NHK NEWS WEB、2022年9月1日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220901/k10013793221000.html(参照 2023-01-26)
・”日本水産 冷凍食品やちくわ 400品余 来年2月以降値上げへ”、NHK NEWS WEB、2022年11月29日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221129/k10013907411000.html(参照 2023-01-26日)