タイムフリーで待ちあわせ

タイムフリーで待ちあわせ

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私(むだ)は、友人のぺいさんを誘って、テレビ番組やラジオ番組、YouTubeの動画について好きなようにテキストでやりとりする往復書簡を始めることにしました。目標は来秋開催予定の第九回文学フリマ福岡の開催にあわせて冊子にすることです。

このブログでは往復書簡の様子を部分的に公開します。開設の目的は大きく二つあります。一つは、私たちの往復書簡や取り上げる番組等に興味・関心を持つ方が少しでも多くなること。もう一つは、往復書簡の継続にあたりお互いに適度な緊張感を持つことです。私のPodcast『mudaの録音』#62では、往復書簡で取り上げるようなトピックを通話による口頭でのコミュニケーションにより記録しました。選択するコミュニケーションの方法によって生じる温度や表現、言葉の省略などの差異もお楽しみいただければと思います。

 
2022年10月27日 ぺい→むだ

 

むだくんへ

 

はじめてお便りかきます。

お元気ですか?こういうものって、いまの時代どう始めれば良いかなかなか思いつきませんね。突然ですが、昨夜教えていただいた「シン・ラジオ」マツコ・デラックスさんゲスト回を聴きましたよ。

とても面白かったのですが、2時間目台にどうしても気になってしまいソワソワして聴きなおした部分がありました。

 

人生初(?)の文字起こしにチャレンジしてみたいと思います。

マ「千葉といえばまだ長嶋茂と日蓮よ。やっぱり」

友「ニチレイ?」

マ「日蓮。あと伊能忠敬ね。それは超えられないよねなかなかね」

友「そうですか。」

友「.......それでは次の銚子丸のね、コーナーに」

マ「それは大事よ」

というやりとりです。

ずっとワイワイとやりとりをしていたおふたり。おそらく次のコーナーの時間だと知らされた友近さんがスッと「そうですか。」(←句点が見えました)と話を終わらせた瞬間。あまりのドライさに、これが売れてる芸能人ね!と膝を叩く想いでした。すぐにフォローに回るマツコさんにもきっと思うところがあったと思いましたが、それを"感じさせる”良いフォローだったと思います。番組にスパイスの効いた笑いを提供するあのひとならではだと思いました。

 

薦めていただいたとはいえ、手紙でラジオのことをこんなに長くなんてどうかしてる。私はいまやっとそう考えていますよ。

むだくんから教えていただきましたが、Radikoのタイムフリーは1時間3回までしか聴き直しできない上に、1回再生してしまえばそこから24時間以内でしか聴き直しができませんよね。

 

はたしてむだくんは上記のやりとりを聴き直すことができるのでしょうか。

それとも記憶に残っているのでしょうか。

 

答えを早く知りたいのでこのまま送らせていただきます。

またラジオの話しましょうね。それでは。

 

ぺいより

 

2022年10月30日 むだ→ぺい

 

ぺいさんへ

 

先日はお便りをありがとうございました。嬉しい気持ちとしまったという気持ちで読みました。私がぺいさんに「お便り交換をしましょう」とお声がけをしたのは、今から2ヶ月以上も前の、2022年8月15日だったようです。仕事終わりの帰り道、買い物の用事があってモンベルに立ち寄る道中でお電話したときでした。提案の言い出しっぺは私なのに、どんなやり方が私たちにとって無理がないだろうと、芸能人同士の往復書簡の本を読むばかりで一歩目の脚を上げたり下げたりする私に、優しいきっかけをくれてどうもありがとうございます。

 

『シン・ラジオ」を聴いてくださったんですね。ぺいさんが人生初の文字起こしをされた友近さんとマツコさんのトーク部分は、残念ながら記憶に全く残っていませんでした。ぺいさんのおっしゃるとおり、radikoには視聴にあたってやけに事細かなルールがあります。その煩雑なルールのおかげで携帯のradikoアプリではすでに聴くことが出来なかったため、ブラウザ版のradikoから該当部分を聴き返しました。

今回のような時間管理が十分でないとき、ゲストがパーソナリティに「ちょっと〜!」「え〜!」「いやいや〜!」と意識的・無意識的に不満を漏らすやりとりを聴くことがしばしばあります。今回はそんな定番なやりとりを選ばず、優先すべきことを瞬時に察知した二人のスマートなやりとりが展開されていましたね。

「千葉といえば長嶋一茂日蓮よ」というマツコさんのセリフを「ニチレイ?」と聞き返す会話もおもしろかったです。調べると日蓮宗を開いた日蓮聖人は、千葉・鴨川市で生誕したそうです。勉強になりました。ただ、ここでのマツコさんの例示のA and Bは千葉に明るくない人にとっては飛躍が過ぎます。正直、分かりっこないです。そのような状況で、聞こえなかった言葉や音を聞き返すのではなく、かろうじて耳に残った音の手がかりからニチレイを選んで差し出す友近さんは独創的で魅力的な方だと改めて感じました。

 

こないだ『阿佐ヶ谷ワイド!!』をTVerで観ました。今回の内容は番組が改編期を乗り越えたことを受けて、番組スタッフの方たちに秋冬のロケで着てもらえるジャンパーを作ろうという回でした。番組の企画内容だったり、阿佐ヶ谷姉妹のお二人のやりとりに注目することが多いこの番組ですが、今日は違う角度で番組を見てみたところ気づいたことがありました。それは阿佐ヶ谷でのロケではカメラが2台、テレビ朝日の社屋ではカメラが1台回っていることでした。江里子さんがよく番組で口にするズブズブの関係にあるお店であろうマリヤ洋服店でのシーンでは、かなり頻繁にカメラが切り替わっていることに気づきました。テレビ番組の収録って改めて大変だな〜と月並みですが感じました。テレ朝の社屋では阿佐ヶ谷姉妹のマネージャーさんお一人で撮影されているらしく、カメラをどう動かそうか少し迷うような瞬間も映像として残っていて、味わい深く感じました。

 

番組内ですごく盛り上がったトークや切れ味のいいコメントみたいなものだけではなく、ほかの番組を視聴し始めたら記憶からこぼれてしまうようなことをこれからぺいさんとやりとりできたらすごく嬉しいです。ひょっとすると時間が経ってこれを読み返したら私たち自身ですら一体これは何のことだったんだろうと思うかもしれませんが、それもきっとすごく楽しいと思います。それでは。

 

むだ